即食:バーガーチェーン



どこのファストフードがいちばん美味しいか、などを問うのはどの宗教がいちばん優れているのか問うのと大差ない。あなたが何を信じるかこそが重要な事。

今回は、各ファストフードチェーンのバーガー(牛肉パティのもの)について。

近頃はちょっと高価格なファストフードも出ているので、そういうのと昔ながらのやつを比べては意味がないし、ここでは比べる気も無い(というかなんでそんな比べたがるの?)ので。

各店、私の好きなやつを書いておくけど、それは私が美味しいと思っているだけで、他の人が美味しいと思うかは別の話だし、みんなが同じやつを美味しいと思うのであれば、メニューなど必要なかったはずだ。


焼き方

パティの火入れの仕方で、ハンバーガーは2種類に分かれる。鉄板または直火。私は直火信者だが、鉄板の店のほうがやたら多いのでまずはそちらから。



鉄板焼きバーガー


マクドナルド

世界で最も人気のあるバーガーチェーンである。マクドナルドのバーガーが世界で最も多くの人に食べられている。人気の秘訣は美味いことだと思う。他より安いし。

脂身が多くて粒を感じるようなそこそこ歯ごたえのあるパティを鉄板でジュルッと焼いたのが特徴。

メリカのマクドナルドはUSビーフを使っているが、日本のやつは豪州産のグラスフェッドだ。日本でグラスフェッドの牛肉食べたければマクドナルドに行けばいいだけのこと。私はメリカのヤツの方が牛臭くて好き。

ツイッターで知ったことだけど、タマネギはフリーズドライと生の2種類。クォーターパウンダーは生、レギュラーのバーガー(ビッグマックを含む)はフリーズドライ。クォーターパウンダーのが生なのでメリカのは全部生かと思ってた。

今はフリーズドライのやつが好きだ。

マクドナルドの “Hamburger” と言うスーパー基本メニュー、これがびっくりするほど美味しい(運が良ければ)ので、一度食べて見る価値がある。

個人的にはトリプルバーガーが今いちばん気に入っている。

マクドナルドに限らず、ファストフードにはバラツキがある。良い品質のものを毎回出してくる店を見つけ、その店をかかりつけにすることをおすすめする。


ウェンディーズ

四角くて非冷凍のパティ。

現行の看板メニューにはDave’s という名前がついている。サイズ的にはクォーターパウンダー。小さめのハンバーガーサイズのやつもある。

Dave’s はレタストマト生タマネギが入っていて、割と脂分の多いパティのと絡ませて口の中で広がる感じ。やや甘めの目立たないマヨネーズ。外見の騒がしさとは違い、口の中で広がる味には一貫性があり、まとまっている。

Dave’s Single, Dave’s Double, Dave’s Triple と肉を増やせば肉は増えるんだけど、かと言って大幅に雰囲気が変わったりする事がない不思議さ。言うまでもないが、肉が増えると美味しさだけは増す。肉が増えたらより美味しくなる、みたいな誰でも知ってる当然のことを書いてしまって申し訳ない。

サイドをポテトのかわりに、チリ、サラダ、ベイクドポテト等にお値段そのままで変更できる。


ファイブガイズ

レギュラーの “Hamburger” はクォーターパウンダーサイズのパティ2枚。シングルが食べたければ “Little Hamburger”。つまりデフォルトは2枚。シングルを食べたければ「小さいやつください」と客は言わなくてはならない屈辱。食う前からすごい煽りだ。

2010年くらいから一気にゼンベーに広がっていったので、新興チェーンのイメージはある。ファストフードだけどお値段高めなので、美味いのは当然。ご予算はMックの倍近い。

オープンキッチン方式で、注文を受けてから肉を焼くところをわざわざ見せてくれる。

高級店にありがちな、店舗をオシャレにして雰囲気で稼ぐみたいなアレは一切なく、清潔ではあるが無骨な店舗、ダンボールのままおかれたお通しのピーナッツ、ここは美味いバーガーを食べる餌場であるという決心がうかがえてよろしい。

注文時にケチャップからピクルス等、何を乗せるかを指定する。私はマスタードだけ、とかもやる。ちなみに、”Everything” とか “All the way” という注文の仕方があるけど、全部のオプションを乗せるわけではない。平均的なやつまとめてくれるって話。英語苦手ならこれでよいかも。

鉄板の温度はかなり高く、カリッカリに焼いてくる。パティから出た脂でパティそのものを揚げた感じ。この揚げた感じを最も出してるチェーン。揚げた脂ごと銀紙に包むので、当然ジューシーだ。「揚げた脂」と呼ぶとかなり物騒なので、「肉汁」と呼ぶのがポリティカリーコレクト。

何より特徴的なのはバンが静かなこと。高価格帯のグルメバーガーにありがちなバンがでしゃばるタイプの勘違いイキり野郎と違い、肉汁を口まで運ぶことに専念している。ハンバーガーのバンは肉を手に持ち、肉汁を保持するためにある。それ以外は頑なに沈黙を守る。正解。


シェイクシャック

チェーンとしてはファイブガイズよりももっと新興。2000年代まではマンハッタンの公園の小屋だった。2010年くらいから店舗を増やし始めたけど、味が落ちたという印象は無い。むしろチェーン化されて品質が安定してるんじゃないか。

まだゼンベーに広がってるわけではないけど、ボチボチ広がってくと思う。これまたお値段高めで美味しい感じ。

ちょっとツルっとしてバターが微妙に香るパンは美味しそうに見せてくれるけど、実際食べたら静かで出しゃばったりはしない。

こちらも高温で揚げた感じだが、ポータベロキノコ丸丸1枚にチーズ詰めて衣つけて本当に揚げたやつを挟んだバーガーもある。ここまでやれば肉でもないくせにだいぶ美味いので笑う。

この揚げたキノコと肉を挟むという凄惨なメニューがあって、これが “Shack Stack”。たぶんこのメニューがなかったら私は行かない。


スマッシュバーガー

野菜野菜してオラオラ騒がしいバーガーならココ。まだまだ店舗数は多くないかもしれないけど、バーガーに何を挟むかでいろいろ勝負してくる感じ。高価格路線なので美味いのは当たり前。


インンアウト

たぶん行ったこと無いけど写真で時々見る。特に行ってみたいと思わない。高温で揚げる系のチェーンがまだ少なかった頃には魅力的に見えたんだろうなあとは思う。


ホワッタバーガー

南部、メキシコ湾岸沿いに存在する WHATABURGER。看板がオレンジなんだけど、どうやら最初から色あせた色調らしく、哀愁をそそる。

そんなに高くない温度で焼いてるので、カリッとせず肉の食感がしっかり残してある感じ。肉の旨味が舌にまとわりつくのが特徴。古き良き美味いバーガー。

一般的なバンズだけでなく、食パン型のパティメルトとかチリを挟んだやつとかいろいろメニューが豊富。


ソニック

ドライブインで、車の中から注文し、注文した場所でバーガーを待つ。ドライブスルーではない。今は少なくなってきたけど、店員が車までローラースケートで運んでくる店とかもあり、だいぶ熱い。

南部には結構信者がいる。クオーターパウンダーサイズの “SuperSonic Double Cheeseburger”は見た目はそんなに大きく感じないが、低温でジュルッと焼いてあって、肉汁を車内にこぼさないように気をつけたい。めちゃくちゃなことになる(つまりめちゃくちゃ美味いということである)ので、個人的には手を洗う場所を確保してから食べたい。


チェッカーズ/ラリーズ

同じくドライブインだけど、ドライブスルー方式。

サイコーにギトギト。とにかくギトギトしたいならココ。マジでギトギトで手がずっと脂臭くなる。それ以外にない。ギトギト。めちゃくちゃ美味しい。


クリスタル/ホワイトキャッスル

クリスタルとホワイトキャッスル、全く別会社だけど、地域が被っていない。味もだいぶ違う。どちらも二口サイズのスライダーの店。クリスタルのほうが好きだ。蒸し焼きにしたようなベトベトのパティが空気より軽い感じのするバンに挟んであって脂ギトギトでそこにマスタードが入っていて、どちらかというとマスタードを食べている感じがするかもしれないとか思っているうちに食べ終わってとにかく美味い。そして安い。



直火焼きバーガー

鉄板のやつはと違い、脂が焦げる。これが直火。口に入れる前の臭いですでに別物。そもそも鉄板のやつと直火のやつを両方バーガーと呼ぶのには無理がある。焼きそばと蕎麦くらい違うかもしれない。


バーガーキング

王である。

口に入れる瞬間に脂の焦げた臭いが、とはならず、すでに店内はこの臭いである。いや、店外にもしっかり漏れている。あの臭いを以って王は民をひきつけているのだ。ドライブスルーなどした日には車がこの臭いになって、また店舗に戻るのを繰り返す事になるので気をつけたほうがいい。幸せにしかなれない。

ホワッパーは直火で焦げ焼きにしたクォーターパウンダーサイズのパティを草やらマヨやらハインツやらでめちゃくちゃにしてしまうカオスを味わうヤバいやつ。肉1枚だとカオスが平衡、2枚にすると肉が上回りカオスがおちつく。3枚にしたら何か超えてしまうらしく、うまく説明できない。昨年度、1人忘年会にはトリプルホワッパーを選んだ。

大学院を決める際も、キャンパスにバーガーキングが存在することを確認してからにした。これがキャンパスに無かったら自分は全く違う人生を送っていた可能性が高いというか普通に氏んでしまっていたであろう。

なお、サイドにはポテトのかわりにオニオンリングを選ぶことが出来る。


デイリークイーン

女王である。

ソフトクリーム等の乳製品の前菜としてバーガーが提供されると思われがちだが、実は直火焼きの立派なやつが出てくるので侮らないでほしい。運が良ければ強火で内側がピンクという工口いやつが食べれる。女王の名にふさわしい。


ハーディーズ/カールズジュニア

まず、パティは大きさが3種類。小さいサイズのやつに加え、1/4lb, 1/3lb。この店で特徴的なのは1/3lbの分厚いパティなので、行くときはこれしか頼んだことがない。”1/3lb Original Thick Burger”。

パティに厚みがあるので、内側がややピンクでなかなかエッチ。若干甘目のパンがまた肉の焦げ目と絡み合って壮絶。

どうしてもバーガーキングに行ってしまうので、あんまり行かないけど、行くたびにもう少し来ても良いかなと思う。